賃貸管理で収益性を高める方法論
今回は、賃貸管理業を営む中でその収益性をより高めるための方法論についてご紹介します。
収益性を高めるポイントは、大きく分けて以下の3つです。
- スポット売上を増やす
- ランニング売上を増やす
- ランニング費用を下げる
スポット売上を増やす
スポットでの売上を増やすための具体策として、次のような手段があります。
大規模修繕提案
屋上防水や外壁塗装、インターネット設備の導入、エントランス改修などを提案します。
これにより、建物の事故リスクを予防し、入居促進にもつながります。
家賃保証付きリフォーム提案
リフォーム費用をオーナーに負担してもらう代わりに、家賃保証を付ける提案です。
オーナーは空室リスクを軽減でき、管理会社は工事売上と保証との差額が利益になります。
ランニング売上を増やす
安定した収益の柱を育てるには、継続的な収入源を増やすことも重要です。
インターネット設備のランニング負担
マンション一括インターネットを導入し、家賃に上乗せすることで費用を回収します。
入居者の満足度向上や家賃下落の抑制にも効果があります。
家賃保証付きリフォームの月額負担プラン
一括払いの負担が大きいリフォーム費用を、月額支払いに分割してもらう提案です。
オーナーの負担感を軽減しつつ、管理会社は安定した収益を得られます。
BM(ビルメンテナンス)の受注
共用部の清掃や点検などの業務を、自社または提携会社で受注します。
オーナーは窓口が一本化されるメリットがあり、管理会社の売上アップにもつながります。
ランニング費用を下げる
内部コストの見直しも、収益改善に大きな効果があります。
各種専門業者の再選定
見積りを複数取り、価格の比較・交渉を行うことで適正価格での業務委託が可能になります。
業者の質を落とさず、費用を抑える工夫がポイントです。
業務改善・DX化による販管費の削減
人件費を中心とした販管費を削減するために、以下のようなDX施策が効果的です。
- 基幹システムの導入
- 帳票の電子化
- 営業補助ツール(例:kintone)の活用
- システム間の連携
- RPAの導入
- AIOCRの活用(帳票の自動読み取り)
これらの施策により、業務の属人化を防ぎながら、少人数での運営体制が可能になります。
導入時は、不動産実務に明るい専門家の支援を受けることが、成功のカギとなります。
まとめ
最後に、今回紹介した施策を簡単にまとめます。
【スポット売上を増やす】
- 大規模修繕の提案
- 家賃保証付きリフォームの提案
【ランニング売上を増やす】
- インターネット設備の導入
- リフォーム費用の月額プラン化
- BM業務の受注
【ランニング費用を下げる】
- 専門業者の再選定によるコストダウン
- 業務改善・DXによる販管費削減
特に「エレベーター点検の見直し」や「業務のDX化」は、実務面・財務面の両方で大きなインパクトが期待できます。
これからの賃貸管理業を取り巻く環境変化にも対応するため、今こそ積極的な取り組みが求められます。